♪Kugel Quartett (クーゲルカルテット) の皆さまへのインタビュー♪


 
2020年8月23日(日)サラマンカホールにて「ぎふ弦楽器貸与プロジェクトSTROAN」に選ばれた方々に楽器が貸与されました。
 
このプロジェクトによって、カルテット3団体に同一製作者によるヴァイオリン2台・ヴィオラ・チェロのセットが貸与されました。
そのうちレナト・スクロラヴェッツァ氏製作のセットを貸与されたKugel Quartettさんは弊社にて2回のリサイタルを開催して下さり、3回目のリサイタルを10月24日(土)に開催していただきます。カルテットの代表である大田原さんやメンバーの皆さんに楽器貸与後最初のリサイタルに向けた意気込みをインタビュー致しました。
 
 
1.楽器貸与に選ばれたことをお祝い申し上げます。
さて、まずはぎふ弦楽器貸与プロジェクトに応募されたきっかけを教えていただけないでしょうか。また借受者決定の通知を受けたときの心境をお聞かせ下さい。
 
きっかけは当時、メンバーの内藤さんが審査員であるF.アゴスティーニ氏の元で研鑽を積んでおり、そこでプロジェクトのお話を聞いた内藤さんが折角だからカルテットで受けようと提案してくれたことでそれに賛同して皆で受けることとなりました。
通知を受けたとき、審査が通り更に自分達の希望した楽器が通っていた為、驚き半分喜び半分でした。特に希望楽器が貸与される事には皆盛り上がりました。(大田原)
 
 
2.貸与から1ヶ月以上が経ち、そろそろ貸与された楽器にも慣れた頃かと思いますが、レナト・スクロラヴェッツァ氏の楽器はいかがでしょうか。
 

武市莉佳:ヴァイオリン(お名前をクリックするとプロフィールページに飛びます)
 

(武市さんに貸与されたスクロラヴェッツァ氏製作のヴァイオリン)
 
楽器を受け取ってすぐに音を出してみた感覚では、明るくて元気が良すぎて、私にない音を持ってる楽器だなという印象を受けました。その良さを殺さないように気をつけながら、音の深みと音程のポイントを楽器に溶け込ませていくことをゆっくりとしています。スチール弦からガット弦に張り替えたことで音質は少し落ち着きましたが、この楽器が本来持っている音のキャラクターはそのままに、たくさんの経験を楽器と重ねていきたいと思います。(武市)
 
 

内藤裕巳子:ヴァイオリン(お名前をクリックするとプロフィールページに飛びます)
 

(内藤さんに貸与されたスクロラヴェッツァ氏製作のヴァイオリン)
 
ずっとどんな音がするのかなと思っていたので初めて弾く時はどきどきしましたが、非常に明るいよく通る音のする楽器でした!
ガットに張り替えてもその印象は変わらず、ここからこの音色にどう深みや色合いを加えていけるかが本当に楽しみです。私も楽器と一緒に成長していければと思います。
また、今回はカルテットでの応募だったのでメンバー全員が同じ製作者の楽器で演奏するという初めての体験ができました。やはり似た音色を持っているからかカルテットとしてまとまりが出たように思います。このような機会いただけたからこそ可能になったアンサンブルの音色を追求していければと思います。(内藤)
 
   

岡本紗希:ヴィオラ(お名前をクリックするとプロフィールページに飛びます)
 

(岡本さんに貸与されたスクロラヴェッツァ氏製作のヴィオラ)
 
普段自分の使っている楽器とは全く違う音色の楽器で色鮮やかな音の出る楽器だなと思いました。
カルテットメンバー全員の楽器が同じ作者のものであるということは滅多にないことなので練習をしていても音が自然と混ざりあって感動しました。
これからみんなで演奏していくのがとても楽しみです。(岡本)
 
 

大田原聖:チェロ(お名前をクリックするとプロフィールページに飛びます)
 

(大田原さんに貸与されたスクロラヴェッツァ氏製作のチェロ)
 
私の楽器は特にですが板がかなり厚いように感じます。重厚な音が鳴る反面、その鳴らすという事にコツを掴む必要があります。かつて偉大なチェリストの一人であるジャクリーヌ・デュ・プレは自身の楽器ストラディバリウスを「予測不能」と語りつつ愛したといい、同じく偉大なチェリスト、ダニイル・シャフランは10代の時に手にしたアマティを生涯使い続けました(このアマティはパワー難が有るとどこかで見ましたが本人の演奏はそれを微塵も感じさせない)。プロアマ問わず演奏家と楽器は常に数奇的な話がつきものです。今回の楽器の歴史の担い手の一人が自分だと思うとワクワクします。(大田原)
 
 
3.Kugel Quartettさんは東海地区でも珍しい(いえ、全国でみても珍しい)ガット弦とバロックピッチにて演奏される団体ですが、結成に至ったきっかけやここまで活動を続けられた中で得られたエピソードをお聞かせ下さい。
 
実は東京の方だと“珍しい”という程ではないのですが東海ではかなり希少ですね。弦楽四重奏をこのようなスタイルで演奏しているのはひょっとすると東海では我々だけかもしれません。結成は私を中心に、当時の愛知県立芸術大学の学生同士で集まって結成されました。その時、正直なところ私は周囲の演奏に疑問を持っていました。何が疑問だったか、その事について書き始めるととんでもない長さになるので、今後の演奏会やいつか語る機会があった時にじっくり語る事にします。私の反骨精神にご興味ある方は乞うご期待。その様な訳で私の考え方を理解してくれる人に声をかけて結成に至りました。
ここまで活動してきた中で得られたことも、沢山ありすぎてどの話をしようか迷います。それ程、得るものがあるのですが一番は演奏会後の頭の疲労感でしょうか。というのもモーツァルトの特に初期の作品はテクニック的な面でいえば本番前に胃が痛くなるほどではありません。しかしながら、頭の中は常に神経が焼き切れそうなほど回転しており、それと同時にその事を聴手に悟られないようにしていますので、演奏後はまるで長大な交響曲を弾いたような充足感と疲労感が押し寄せます。皆様の目に、優雅且つ即興的に映っていることを切に願います。(大田原)
 
 
4.モーツァルトツィクルスのコンサートも3回目となりますが10月24日(土)に開催する演奏会に向けた意気込みや曲の聴きどころをお聞かせ下さい。
 
今回はモーツァルトの弦楽四重奏曲の中で最も有名と言っても過言ではない曲が回ってきましたのでお楽しみに。あまり語ると色々とネタバレになるのでこの質問はこの辺で。(大田原)
 
 
5.楽器貸与を通して、今後のカルテットの方向性や目標をお聞かせ下さい。
 
四人が同じ製作者の楽器を弾くというのはそれだけで音が纏まり易いと思います。つまりもっと別なところに意識をさく余裕ができるわけで、お客さんに、例えば当シリーズであれば「モーツァルト」が聴こえている演奏という我々の理想に近づきやすくなります。我々、個々人の楽器や表情が見えている内は「作曲者」は引っ込んでしまいます。演奏後の感想に「重厚な音圧」、「息の合ったアンサンブル」、「若々しい勢いのある…」等と書かれている時は我々の目的が十分に果たされていない、ということになり、感想に演奏した曲の「こういう所がいい曲だった」、「この曲のセンスはあまり好きでなかった」等の作品に対しての議論がお客さんの中ででてくると我々の演奏会の大成功となります。当シリーズが終わるのはまだ先の話ですが、次回シリーズも今回に負けない重厚なシリーズを計画していますのでご期待下さい。(大田原)
 

 
貴重なインタビューの機会をいただき、ありがとうございました。
このカルテットの第3回目のリサイタルが間もなく開催されます。ぜひご来場のほどお願い申し上げます。
(当日券はお求めいただけない可能性が高いため事前にチケットお求めについて、コチラのページをご覧いただきご連絡下さい)
 

 
主催:アイリス音楽振興会 info@a-iris.jp
 
 

(第2回リサイタルより)